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健康寿命延ばすため 心身活動の低下「フレイル」に注意

■沖縄県医師会編[命ぐすい耳ぐすい](1194)

 2018年の健康寿命は、厚生労働省によると、男性72・14歳、女性74・79歳と公表されています。2013年の前回調査の男性71・19歳、女性74・21歳からすると、男性は0・95歳、女性は0・58歳延び、自立して元気に過ごせる期間はますます長くなってきています。

 2007年から全都道府県で超高齢社会、すなわち65歳以上の高齢者の割合が総人口の21%を占める社会に突入しました。2020年には約30%、2040年には約35%に上昇すると見込まれています。それ故に高齢者人口の急速な増加に対して医療や介護福祉分野での対応は喫緊の課題となっています。

 人は年齢を重ねていくと老います。心身が衰えていきます。自然に健康から虚弱へ進んでいきます。すなわち「フレイル」の状態になっていきます。

 「フレイル」とは虚弱、脆弱(ぜいじゃく)と訳され、加齢とともに心身の脆弱性が出現した状態であり、自立度が落ちていく状態といえます。一方で適切な医療の介入、支援により生活機能を維持向上し、改善させることができます。

 「フレイル」の基準は

 (1)年間4・5キロ、または5%以上の体重減少

 (2)疲れやすい

 (3)歩行速度の低下

 (4)握力の低下

などの身体活動の低下であります。3項目以上あれば「フレイル」と認定します。1項目または2項目だけの場合「フレイル」の前段階「プレフレイル」と判断します。「フレイル」と認定されると医師や家族が早く対応することが大切です。

 予防として

 (1)栄養をとる

 (2)身体活動(運動)をする

 (3)社会参加する

これら三つの柱が重要であります。少しでも健康寿命を延ばし人間が人間らしく生きるために、自分で食べることができ、自分で自由に動けることができる楽しい人生を送ることが重要です。「フレイル」を理解し若い時から予防と対策に目を向け実践し健康寿命を延ばしたいものであります。(友寄英雄 友寄クリニック 那覇市)