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認知症の発症リスク、健康的な生活習慣で低減か 英研究
(CNN) たとえ認知症を発症する確率が遺伝的に高い人でも、健康的な生活習慣を心がければリスクを低減する助けになるかもしれないという研究結果が、14日の医学誌JAMAに発表された。
この研究結果は、このほど開かれたアルツハイマー学会の国際会議でも発表されている。
今回の研究では、認知症の遺伝的リスクが高いとされた人のうち、食生活に気を配り、運動を習慣づけ、飲酒は最小限に抑え、喫煙しない人は、後に認知症を発症する確率が低いことが分かった。
研究チームは英国に住む60歳以上の高齢者19万6383を対象として2006~10年にかけて調査を行い、16~17年に追跡調査を実施した。
その結果、健康的な生活を送っている人が後に認知症を発症する確率は1.13%だったのに対し、健康的ではない生活を送っていた人の発症率は1.78%だった。これは統計的には重要な違いとされる。
今回の発表を行った英エクセター大学医学校の研究者は、「認知症の遺伝的リスクに対して対抗を試みるため出来ることがあると分かったという点でエキサイティング」と評価、「遺伝的リスクを問わず、健康的なライフスタイルを続けることは、認知症のリスク低下と関係がある」と解説する。
ただし今回の調査で対象となったのは全員が欧州にルーツを持つ高齢者で、ライフスタイルは自己申告だった。
英認知症調査研究所の専門家は、「多くの人にとって、健康的な生活は認知症予防の助けになり得ることが、改めてデータによって示された。ただし健康的な生活を心がけても認知症を発症する人はいる」と指摘している。