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手足口病が九州で流行、鹿児島で最多の患者報告数 - 一度罹患しても再感染と注意喚起も
手や足などに水疱性の発疹が現れる手足口病が九州で流行している。2週連続で警報基準値を上回った鹿児島県は、5月20日から26日までの週の患者報告数について「統計をとり始めた2000年以降で最も報告数の多い週」と指摘。手足口病の原因となるウイルスの種類が多く、一度罹患しても再感染することもあるとし、注意を呼び掛けている。【新井哉】
鹿児島県の1医療機関(小児科定点医療機関)当たりの患者報告数は、前週比28%増の13.52人で、警報基準値(5.0人)を上回っている。鹿児島市保健所(25.62人)では警報基準値の5倍超の報告があった。県内の年齢別の報告数については1歳が最も多かったという。
宮崎県は前週比36%増の13.14人となり、2週連続で警報基準値を超過。保健所管内別では、中央が26.0人で最も多く、以下は、延岡(23.25人)、日南(19.67人)、宮崎市(14.7人)、高鍋(13.5人)、日向(11.5人)などの順だった。
福岡県(5.6人)は前週と比べて2倍超の患者報告数となっており、県内の半数近い保健所管内で警報基準値を上回っている。同県は「特に、保育施設などの乳幼児の集団生活では、感染を広げないために、職員とこども達が、しっかりと手洗いをすることが大切」としている。
佐賀県の患者報告数は前週比57%増の4.04人、長崎県は同40%増の2.0人で、いずれも3週連続で増加した。大分県は前週比72%増の3.86人で、東部保健所管内(8.14人)で警報基準値を超えている。熊本県(3.74人)も「保健所別では、菊池、人吉、熊本市が警報レベル」と指摘。予防方法としてタオルを共用しないことや排泄物(便など)を適切に処理することなどを挙げている。
手足口病は、水疱性の発疹を主な症状とした急性ウイルス性感染症で、乳幼児を中心に夏季に流行することが多い。原因病原体はコクサッキーウイルスやエコーウイルス、エンテロウイルスなどで、感染から3―5日の潜伏期間後、口腔粘膜や手のひら、足の甲・裏などに2―3ミリの水疱性発疹が現れる。飛沫や接触によって感染する。CBnews