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「警報レベル」インフルエンザ拡大 患者数激増、どう防止?
インフルエンザは現在、大流行の発生・継続が疑われる「警報レベル」で、全国的に猛威を振るっている。感染力は非常に強く、病人や高齢者は肺炎などを併発し重症化しやすい傾向にある。
厚生労働省によると、今月13日までの1週間に報告されたインフルの患者数は前週の推計約58万6000人から、約163万5000人と3倍ほどに増加。小学校などを中心に約600施設で学級閉鎖や休校が相次ぐ。
特に高齢者や子供は要注意だ。厚労省によると、年間のインフルの感染者数約1000万人のうち死者は年間数百人程度で、平成17年には1818人に達した。肺炎などによる併発も含めた死者は、年間約1万人と推計されている。
インフルは、くしゃみやせきなどの飛沫(ひまつ)や、スイッチやドアノブなどの接触で感染する。拡大を防ぐには、マスクや手洗いなどでウイルスを体内に侵入させないことだ。特に施設内での集団感染は、職員や訪問者らがウイルスを持ち込むケースがある。厚労省は22日、都道府県などを通じ介護など高齢者施設に対し、感染対策を徹底するよう呼びかけた。
山野医療専門学校副校長の中原英臣(ひでおみ)氏(医学博士)は「体力が低下しがちな高齢者は発症しやすく、多くの人が生活を共にする施設では感染が広がりやすい。予防にはワクチン接種のほか、こまめな手洗い、うがいが何より重要だ。免疫力維持のため、十分な睡眠の確保なども習慣にしてもらいたい」と話す。