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リンゴ病、東京で過去最多の患者報告数 - 妊婦感染で流産の恐れ、都が注意喚起も(医療介護CBニュース)

頬が赤くなることからリンゴ病とも呼ばれる「伝染性紅斑」の東京都内の1週間の患者報告数が、感染症法に基づく調査が始まった1999年以降で最多となっていることが29日、分かった。都は、妊婦が感染した場合、胎児の異常や流産を引き起こす恐れがあることを挙げ、注意を呼び掛けている。【新井哉】

 都によると、都内264カ所の小児科定点医療機関から報告された19日から25日までの1週間の患者報告数は、前週比約7%増の定点医療機関当たり1.59人。都内31保健所のうち8保健所の管内で警報基準値(2.0人)に達している。

 保健所管内別では、八王子市が5.36人で最も多く、以下は多摩小平(3.13人)、西多摩(2.75人)、中央区(2.67人)、多摩府中(2.25人)、北区(2.14人)、江東区(2.11人)、品川区(2.0人)、板橋区(1.8人)、目黒区(1.6人)などの順だった。

 都は、警報基準値を上回っていたり、前週以前に警報基準値を上回った後、1.0人を下回らない状態が続いたりしている保健所管内の人口の合計が都全体の人口の30%を超えた場合は、「都全体の警報」に当たるとしており、この基準に前週から該当している。

 伝染性紅斑を巡っては、都内で2011年と15年に大きな流行があったが、今回はそれを上回る流行となっており、ウェブサイトで注意喚起を行う医療機関も出てきた。また、流行地域の一部の教育施設では、学校長の判断で出席停止にできることに触れ、登校に関しては医師の指示に従うよう求めている。

 伝染性紅斑の原因はヒトパルボウイルスB19感染で、感染した人の唾液、たん、鼻の粘液などに触れ、それが自分の口や鼻の粘膜に付いたり、咳の飛沫を吸い込んだりして感染する。10-20日ほどの潜伏期間の後に頬に赤い発疹が現れ、手や足にも網目状の発疹が現れる。小児が感染してもほとんどが重症化せずに軽快する。

 成人では、頬の赤い発疹などの特徴的な症状が出ることは少ないが、強い関節痛のために歩けなくなることもある。妊婦が感染すると、本人には全く症状がなくても胎盤を介して胎児に感染し、流産や死産となる可能性がある。

CBnews

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