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アレルギー対策、市区町村の4割が未実施-厚労省の調査で判明(医療介護CBニュース)

アレルギー疾患対策基本法で定められた食物アレルギーや花粉症などの6疾患について、4割近くの市区町村が対策を講じていないことが21日、厚生労働省の調査で分かった。厚労省は「対策を講じている自治体は増加している」としているが、対策を実施している市区町村の6割超が1疾患のみにとどまっている状況も浮き彫りになった。【新井哉】

 2014年6月に成立したアレルギー疾患対策基本法では、▽食物アレルギー▽花粉症▽アトピー性皮膚炎▽気管支喘息▽アレルギー性鼻炎▽アレルギー性結膜炎-の6疾患について、居住する地域にかかわらず、適切な医療を受けられる体制の整備などを求めている。

 こうした状況などを踏まえ、厚労省はアレルギー疾患における自治体の取り組みを把握する目的で、全国の1741の市区町村を対象にアンケート調査を実施。今年3月末までに回答を得られた1199の自治体(市区町村)の状況を解析した。

 回答した自治体のうち、747(62.3%)の自治体が、給食の食物アレルギーなどの対策を講じている一方、452(37.7%)の自治体が対策を行っていないことが明らかになった。対策を実施している疾患数については、1疾患が487自治体と最も多かった。

 厚労省は、対策実施疾患数と自治体の人口分布の関連性についても解析。「アレルギー疾患対策の実施状況と、自治体の規模(人口)に、明らかな相関はない」としている。

 1疾患の対策にとどまっている自治体について、厚労省は「対象疾患のほとんどが食物アレルギーだった」と指摘。ただ、1988年以前は対策を実施しているのは40自治体だけだったが、2008年には5倍の約200自治体に増え、現在は700自治体を超えていることを挙げ、対策を実施する自治体が着実に増えているとの考えを示