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【糖尿病に強い 病院探訪】骨動かす筋肉の質低下が血糖コントロールに関係 順天堂大学医学部附属順天堂医院 糖尿病・内分泌内科(ZAKZAK)

生活習慣病の2型糖尿病は、暴飲暴食など食生活に伴う肥満に関わる。しかし、BMI(体格指数/体重キログラム÷身長メートルの2乗)が25未満で、肥満の分類に入らない人も2型糖尿病を発症している。なぜ太っていなくてもなりやすいのか。

 その最先端の研究を行っているのが順天堂大学医学部附属順天堂医院糖尿病・内分泌内科だ。骨を動かす筋肉(骨格筋)の質の低下と関わることを明らかにし、今年7月に米国内分泌学会に発表。28人の糖尿病専門医と4人の内分泌代謝専門医が診療を行い、2015年の外来総患者数は1万2075人、このうち半数以上を2型糖尿病患者が占める。

 「2型糖尿病では、血糖値をコントロールするインスリンがうまく働かないインスリン抵抗性や、インスリンの分泌量が減ることで、血糖値が上がりやすくなります。その仕組みを突き止めれば、効果的な治療法や予防法につながるのです」

 こう話す同科の綿田裕孝教授(51)は、糖尿病の治療と研究のスペシャリストである。綿田教授らのグループは、2014年、膵臓(すいぞう)が疲弊してインスリンの分泌量が減ることに、ノーベル賞でも話題のオートファジー(細胞の自食作用)が欠かせないことも明らかにした。この作用を活性化できれば、従来と異なる薬の開発も可能となる。

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