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RSウイルス患者増、過去10年同期で最多-33都府県で前週上回る(医療介護CBニュース)

乳幼児に肺炎などを引き起こすRSウイルス感染症の患者報告数が、過去10年の同じ時期と比べて最も多くなっていることが20日、国立感染症研究所がまとめた5日から11日までの週の患者報告で分かった。33都府県で前週の報告数を上回っており、患者が増加傾向の自治体では手洗いやマスクの着用といった予防策の徹底を求めている。【新井哉】

■全国患者報告数は4週連続で増加

 国立感染症研究所や各都道府県がまとめた5日から11日までの週の患者報告(小児科定点医療機関約3000カ所)によると、全国の定点当たりの報告数は前週比約23%増の1.06人。4週連続で増加した。

 都道府県別では、新潟が3.45人で最多。以下は宮崎(2.56人)、岩手(2.18人)、群馬(2.14人)、徳島(2.09人)、福島(1.96人)、富山(1.76人)、東京(1.71人)、石川(1.66人)、宮城(1.63人)、千葉(1.39人)、青森(1.33人)などの順だった。

 前週比約1.6倍に増えた新潟県では、魚沼保健所管内で全国平均の40倍近い42.0人を記録。東北地方でも流行中の地域が増えつつある。岩手県の奥州(12.0人)や二戸(7.5人)、山形県の置賜(2.83人)、仙台市(2.52人)などの保健所管内で多かった。4週連続で増えた福島県では、郡山市と県中、相双、いわき市の保健所管内で流行が続いているという。

■東京で報告増、過去5年平均上回る

 東京など関東地方の7都県では、軒並み前週の報告数を上回った。東京都は「定点当たり報告数は増加を続け、過去5年平均を上回っている」と指摘。荒川区(6.5人)や中央区(4.67人)、多摩小平(3.8人)、池袋(3.75人)などの保健所管内で多く、都内の年齢別では2歳未満が全体の7割超を占めた。

 群馬県では昨年より2カ月以上早く流行期に入っており、前橋市と高崎市(共に4.33人)や渋川(3.25人)などの保健所管内で多かった。前週比で2倍近く増えた埼玉県も「過去4年の同時期と比較して多い状況」として警戒を強めている。

 RSウイルスは、呼吸器感染症の1つで、感染から2-8日後に上気道炎、気管支炎、細気管支炎、肺炎などの症状が現れる。患者のほとんどは軽症で済むが、小児を中心に重症化するケースもある。