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新専門医制度に向け学会との役割を明確化-機構が基本的な方針公開(医療介護CBニュース)

日本専門医機構(機構、吉村博邦理事長)は9日、新しい専門医制度の開始に向けた基本的な方針をホームページで公開した。学会との役割分担の明確化を図るほか、医師の地域偏在の対策について、学会に意見を求めながらさらに検討するといった方向性を示している。また、総合診療専門医を目指す若手医師に向け、来年度から日本プライマリ・ケア連合学会の研修を受講するよう勧めるメッセージも出した。【佐藤貴彦】

 機構は、新しい専門医制度で学会に代わって専門医の認定などを行う第三者機関として設立された。新制度による専門医の養成を来年度から始めるために準備を進めてきたが、地域偏在を悪化させるといった懸念が医療界から表明されたことを受けて先月、開始時期の1年間延期を決めた。

 機構は「緊急のお知らせ」として、今後に向けた方針をホームページで発表した。この中で、学会が学術的な観点から研修プログラムを作成する一方で、機構は専門医制度の標準化や、専門医資格の認証などを担うといった役割分担をはっきりさせる方向性を示した。また、「機構で全てを決定し学会はそれに従う」といった関係でないことも明確にするとした。

 さらに、新制度が医師の地域偏在を悪化させるといった懸念を払しょくするため、専門医の養成に伴う偏在の対策について学会に意見を求めたり、さらなる具体策を検討したりする考えも示した。

 また、総合診療専門医を目指す若手医師に向け、日本プライマリ・ケア連合学会の家庭医療専門医になるための研修を受けるよう勧めるメッセージも公開した。その上で、来年度から研修を受ける予定の医師が将来、研修のやり直しを迫られるといった制度上の不利益を被らないように、何らかの措置を検討する方針を強調した。