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次世代アルツハイマー病治療剤「elenbecestat」 試験結果を学会発表

アルツハイマー病協会国際会議にて発表

エーザイ株式会社および米バイオジェン社は2018年7月26日、経口βサイト切断酵素(BACE)阻害剤「elenbecestat」の臨床第2相試験における詳細結果を、アルツハイマー病協会国際会議(AAIC2018)にて発表したことを明らかにした。

同試験は、軽度認知障がいおよび軽度から中等度のアルツハイマー病を対象として実施されたもの。AAIC2018は、7月22日から26日にかけて米国イリノイ州シカゴにて開催された。
 

エーザイが創製したBACE阻害剤

「elenbecestat」は、エーザイが創製したBACE阻害剤であり、次世代経口アルツハイマー病治療剤として現在開発が進行している。

BACEは、アミロイド前駆体タンパク質のβサイトを切断するAβ産生の律速酵素。「elenbecestat」は、このBACEを阻害することによってAβ産生を抑制する。この抑制が、毒性種と考えられる脳内Aβのオリゴマーやプロトフィブリルへの凝集、またその後のアミロイドプラーク(老人斑)形成を減少させる効果を持つと考えられている。

同剤は現在、アルツハイマー病に関する2つのグローバル臨床第3相試験が進行している。
 

有害事象の発現率はプラセボ投与群では同様

今回AAIC2018にて結果が発表された「elenbecestat」の臨床第2相試験では、アルツハイマー病患者70人を4投与群に割り付け、投与18カ月間を通じての安全性および忍容性などが評価された。同試験において、有害事象の発現率は「elenbecestat」投与群とプラセボ投与群では同様となり、「elenbecestat」の用量依存性や副作用も確認されなかったという。

(画像は写真素材 足成より)


▼外部リンク

Elenbecestatの臨床第2相試験結果の詳細をAAIC2018にて発表 - エーザイ株式会社
https://www.eisai.co.jp/news/2018/pdf/news201865pdf.pdf
 

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