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【デキる人の健康学】他人を助けてストレス解消 援助行為が長寿の秘訣(産経新聞)

これまでの長寿研究から、長生きする人の特徴はポシティブ思考型で失敗してもくよくよしないタイプの性格であることが明らかとなっている。ポシティブ思考の人はストレスを受けにくいために長寿になると考えられている。

 実際、米国ケンタッキー大学のスノードン教授の報告によれば、同じ僧院で同じ生活パターンを送る180人の修道女を22歳時に書いた人生観に関する作文からポジティブ思考の修道女とネガティブ思考の修道女に分類し70年後に寿命を解析した結果、22歳時にポジティブな感情を表現していた修道女はネガティブな感情を表現していた修道女に比べて約7年間も長生きをしていることが分かった。

 失敗してもくよくよしないかどうかは生まれ持った性格に左右されるので、訓練したからといってポジティブ思考になれるものでもない。また、ストレス要因自体を回避して減らすことができれば良いが、仕事関係や人間関係より生じるストレスは根本的原因を解決することは多くの場合難しいのが現状だ。

 そんな中、米国エール大学医学部精神科のエミリー・アンセル博士らの研究チームは、知人や友達を援助することにより日常のストレスを減らすことができると報告し話題を呼んでいる。研究チームは18歳から44歳までの77名の成人を対象に14日間、日常の感情や経験に関してスマートフォンを使い調査した。同時に、宿題を手伝う、困っている人に声をかける、ドアを開けるなどの援助行為を行ったかどうかも調査した。

 その結果、ストレスの多い日に援助行為をすると幸福感が高まりストレスは精神的な健康状態や積極性に影響を与えないことが分かった。一方で、援助行為がない日は負の感情が増して消極的になりストレスを多く感じていることが分かった。知人や友達を援助するという簡単な行為の積み重ねが長寿の秘訣になるかも知れない。