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ストレスチェック、医師の6割「効果ない」-メンタル不調の一次予防で(医療介護CBニュース)
医師や保健師などが携わるストレスチェック制度について、医師の6割が労働者のメンタルヘルス不調の一次予防に効果がないと考えていることが、サイト運営会社の調査結果で分かった。この制度は、「うつ」などメンタルヘルスの不調を未然に防ぐことが狙いであるため、取り組みが不十分な事業所では、判定後の積極的な介入や面接指導の活用などが求められそうだ。【新井哉】
労働安全衛生法の改正で昨年12月から、50人以上が働く事業所で、労働者の心理的な負担の程度を把握するストレスチェックの実施が義務付けられた。労働者から申し出があった場合、医師による面接指導も行われる。 調査は、医師専用サイトを運営するメドピアが3日から9日にかけて実施。4031人の医師から回答を得た。
ストレスチェック制度がメンタルヘルス不調の一次予防に効果があるかどうか尋ねたところ、「どちらかと言えば効果はない」(45.3%)と答えた医師が最も多く、「まったく効果はない」(16.8%)と合わせて6割超の医師が一次予防の効果に否定的だった。
否定的な回答を医師からは、ストレスチェック後の対応について、「何らかの対策が取られた形跡を見たことがない」や「職場改善の対策がない限り、一次予防にはならない」などと指摘があった。
一方、「かなり効果がある」(2.3%)と「どちらかと言えば効果がある」(35.6%)を合わせて4割弱の医師が一次予防の効果に肯定的だった。効果については、「ストレスチェックを行うことで本人自身や管理者に対する啓もうを促す効果はある」や「これによって救われる労働者も少なからずいるはず」などの理由が挙がった。