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緑内障患者、睡眠時の血圧上昇 心臓や血管の病気起こしやすくなる可能性 奈良県立医科大グループ研究

緑内障患者の睡眠中の血圧は、通常の人と比べて高く、心臓や血管の病気を起こしやすくなっている可能性があるとの研究成果を、奈良県立医科大のグループがまとめた。

 血圧は一般的に睡眠中は低下する。研究では、通院中の緑内障患者109人(平均年齢71.0歳)の血圧を24時間連続で測定し、緑内障ではない708人(同70.8歳)と比較した。

 緑内障患者の平均血圧(収縮期)は日中が133.3ミリHgで睡眠中は119・3ミリHg。一方、それ以外では日中134.3ミリHg、睡眠中114.8ミリHgで、緑内障患者の睡眠中の血圧が高いことが分かった。

 睡眠や血圧といった体のリズム調整には、目、特に網膜神経節細胞への光刺激が影響を与えている。緑内障でここに障害が起きると、調整機能が十分働かなくなるとみられる。

 同大の吉川匡宣(ただのぶ)講師は「研究によって、緑内障の進行を止めることが生体リズムに関連する疾患の予防などにつながれば」と話す。今後、生体リズムに関係するとされるホルモン「メラトニン」の分泌量を調べるなど研究を進めるという。

 成果は米国の専門誌「Ophthalmology」(眼科学)に掲載された。【藤原弘】