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認知症ケアの効果、「判定項目の収集が必要」 - 厚生労働省が科学的介護検討会の取りまとめ公表

厚生労働省は16日、科学的裏付けに基づく介護に係る検討会の「取りまとめ」を公表した。2020年度の本格運用を目指している「介護に関するサービス・状態等を収集するデータベース」(CHASE)の初期仕様における収集項目や将来的に対象とする項目の方向性などを記載。認知症に関しては、「認知症ケアの効果および認知症の身体的ケア効果を判定する項目の収集が必要である」としている。【新井哉】

 CHASE(初期仕様)の収集対象とする項目については、▽信頼性・妥当性があり科学的測定が可能▽データの収集に新たな負荷がかからない▽国際的に比較が可能―といった基準に従って優先順位を付けることにしたという。

 科学的介護の仕組みについては、「サービスの利用者やデータ入力を行う事業所等がデータの分析結果の恩恵を享受できるようフィードバックできる仕組みが必要である」と明記。フィードバックを享受する対象者として、利用者のほかに、介護者、事業所、保険者(自治体)を挙げている。

 例えば、認知症の領域における介護事業所からの収集項目に関しては、「診断からケアの実施とその評価を一連の流れとして捉える必要がある」と指摘。介護現場でケアニーズを含めた認知症の進行度を把握し、「診断や状態別に適切なケアの内容を検討し実施することが重要」としている。

 また、認知症のスクリーニングに必要な項目として、「認知症の既往歴」(新規診断を含む)、認知症のケアに活かす項目として、認知症の周辺症状に係る指標の「DBD13」をそれぞれ提示。モデル事業で、デイケアにおける家族(主たる介護者)の負担の最大要因である周辺症状の変化の測定可能性などについて「検討を行っていく必要がある」との見解を示している。

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