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日本人死因2位の心疾患、放置してはいけない「胸の痛み」の見極め方

ビジネスパーソンは、とにかく忙しい!少々カラダに不調があっても、なかなか病院に行けない、誰に相談したらいいかわからない、料金もいくらかかるのか…そう思っている人も多いはず。この連載は、所属している医師がすべてイケメンの「イケメンドクターズ」(NHKの『ごごナマ』でレギュラー出演も!)の先生方が、みなさまのお悩みに答えます。第6回は、日本人の死因第2位である「心疾患」の前兆について解説します。

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【お悩み】
先日、夜、自宅にいるときに、急に心臓が痛くなりました。きゅっとした痛みで、息も苦しいくらいだったのに、数分で痛みがなくなりました。疲れのせいかもしれないと思う半面、病院へ行った方がいいのか悩んでいます。(男性・50代)
● 「狭心症」がひどくなると 命の危険がある「心筋梗塞」に!

 私の苦い苦い思い出をお話しします(患者さんにとってはもっと苦い思い出になっているはずです)。

 ある夜の当直中のことです。50代男性の方が「胸が痛い」と救急外来を受診されました。来院時には症状は落ち着いていましたが、それ以前にも、ときどき胸が苦しかったり、少し違和感を覚えたりするとおっしゃっていました。そこで心電図、レントゲン、血液検査と一式の検査を進めたのですが、そのどれにも異常は見当たりませんでした。

 特に血液を採取して、「トロポニン」という重症狭心症や心筋梗塞発症時のマーカーとなるものも含まれている検査を行ったのですが、それも含めて陰性でした。

 なんとなくスッキリしない思いを抱えつつも、まだ若かった私は自分の感覚よりも検査結果を重要視して、患者さんには一旦帰宅して頂きました。しかしその朝方、その方が心筋梗塞を発症して救急搬送されてきたのです。

 一命を取り留めたものの、私は申し訳ない気持ちでいっぱいで、後に上司にもこっぴどく叱られました。

 この患者さんが最初に胸が痛いと感じたときは、おそらく狭心症(きょうしんしょう)を発症していました。狭心症とは、心臓に栄養を与えるための「冠動脈(かんどうみゃく)」の血流が低下し、血流不足を感じた心臓が送るSOSです。その結果、胸の痛みや呼吸の苦しさを自覚します。

 ただし、この症状は一過性のこともあり、症状が落ち着いているときには心電図でも血液検査でも異常を認めないことがしばしばあります。

 そして、この狭心症が、さらに重症化して冠動脈が詰まってしまうと心筋梗塞(しんきんこうそく)になり、命に関わります。このケースの場合は、大事を取って入院し、精密検査を受けていただくという処置が必要でした。患者さんの命に別状がなかったことに心底安堵し、その後の私の医師としての人生に大きな戒めとなる事例となったのでした。

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