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アニサキスに注意 カツオ、サバの生食で食中毒
魚に寄生するアニサキスによる食中毒が全国で増加している。昨年は4、5月に多発していたことから、和歌山県紀南地方の医療機関も注意と対策を呼び掛けている。
白い糸状をしたアニサキスの幼虫は体長2~3センチ。サバ、カツオ、アジ、イワシ、サンマ、サケ、イカなどの内臓に寄生し、魚が死んで時間がたつと筋肉に移動する。その身を生で食べた場合、食後にみぞおちの痛みや嘔吐(おうと)、腹痛などの症状が現れる。
医療機関も警鐘を鳴らしている。田辺市下三栖の長嶋雄一クリニックは「近年は春と秋に食中毒が多発していた」と指摘する。
同院で2014年8月~18年7月に確認したアニサキスの食中毒は計59件。月別の合計で特に多かったのが5月の13件、11月の10件。患者への聞き取りでは、カツオやサバの生食がほとんどだった。
長嶋雄一院長(52)によると、食中毒は衛生管理などに関わらず発生しており、魚の販売店や調理者にも注意してもらいたいという。「紀南は魚を生で食べる機会が多い。食べる場合は十分注意し、もし異変を感じたら医療機関で受診し、アニサキスの可能性を告げて」と話している。
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厚労省は対策として、70度以上での加熱か、零下20度で24時間以上冷凍するよう呼び掛けている。魚は新鮮なうちに内臓を取り除いたり、幼虫がいないか目で確認したりするのも方法という。酢による処理、塩漬けでは死滅しない。