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薬の誤用、6年間で24件 見た目が類似、医師ら混同
見た目が似た薬を医師や薬剤師らが誤って使ったケースが2010年1月から今年3月までに計24件あったとする報告書を、日本医療機能評価機構がまとめた。機構は「名称をきちんと確認することが必要だ」と注意を呼びかけている。
全国約1千の医療機関を対象にした医療事故情報の収集事業で報告された事例を分析した。患者自身が誤ったケースは除外した。
報告書によると、24件の内訳は注射薬10件、内服薬6件、外用薬5件、その他3件だった。注射薬では薬剤を入れたガラスの容器(アンプル)の形が似ていたのが7件、内服薬では包装の外観が似ていたのが5件と目立った。
取り違えが起きた場面は注射薬では9件が薬剤の準備中で、主にかかわっていたのは助産師・看護師が6件、医師が3件。内服薬は6件すべてが調剤中で、いずれも薬剤師がかかわっていた。
24件のうち23件は患者に使われた。死亡例はなかったが、障害が残った可能性がある事例が3件あった。新たな治療が必要になった事例は11件だった。
製薬業界はアンプルや内服薬の包装、外用薬の容器などにバーコードを表示する取り組みをしており、機構は、バーコードを薬剤の照合に使うことも医療機関に求めている。(竹野内崇宏)