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薬需給にミスマッチも…猛威振るうインフルエンザの感染力

インフルエンザが猛威を振るっている。1週間の患者数が過去2番目の多さとなり、大流行だった昨シーズンに迫りつつある。厚生労働省は警戒を強めており、対策情報を発信している。また、一部の抗ウイルス薬では想定以上の需要が出ているものの、増産対応は難しい状況だ。

 厚労省によると、1月14―20日の1週間で報告されたインフルエンザの患者数は1医療機関当たり53・91人で、昨シーズンのピークとなった54・33人に次ぐ多さだった。30人を超える「警報レベル」は44都道府県に及ぶ。全国で医療機関を受診した患者数の推計は約213万人で前週より約50万人多く、患者数が急増した。例年、1月下旬から2月初めがピークとなり、「十分に注意してほしい」(同省)。

 都道府県別の1医療機関当たりの患者数は愛知県が最も多く、次いで埼玉、静岡、茨城の各県が続く。幼稚園や小学校などの休園・休校や学級閉鎖も相次いだ。入院患者数は特に60代以上が多く、全体の6割強を占めた。高齢者は抵抗力が弱く、重症化しやすい。そのため、ワクチン接種による予防効果が大きく、定期接種の対象となっている。

 インフルエンザは感染力が強い上、流行を抑え込むのが難しい。インフルエンザウイルスは型が変異しやすく、A型やB型の中でも毎年少しずつ変わる。そのため、ワクチンが効いたり、効かなかったりする。インフルエンザの症状を抑えることができても、感染を防ぎきれないのが現状だ。

 厚労省は人への感染を防ぐため、「咳(せき)エチケットを守って」と呼び掛けている。職場や学校、電車など人が多く集まる場所で咳やくしゃみをする時はマスクを着用したり、ハンカチや袖で口や鼻を覆ったりするように促している。

 市町村などに咳エチケットのチラシを配布しているほか、同省のツイッターを通じて訴求。さらに「こまめに手を洗い、栄養や休養をしっかり取ることが予防には大切だ」(同省)と話している。

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