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症状・治療法は?乳がんとの違いは?乳腺炎まるわかりガイド

「もしかして乳腺炎?」そう思うことはありませんか?   赤ちゃんの成長を願い、母乳育児の理想と現実のギャップに悩みながら授乳しているママ、本当に頑張っていますね。でも、おっぱいトラブルを抱えたまま1人で悩んでいると、心と体に大きなダメージを与えかねません。おっぱいトラブルの中でいちばんつらい「乳腺炎」。その原因や兆候と症状、対処法などを助産師の小澤千恵先生に教えていただきました。つらいときは無理せず、母乳外来などの専門機関に早めに相談しましょう。

コンテンツ
(1)乳腺炎とは?  原因は何?  兆候と症状は?  対処法もガッチリ解説
 ・「うっ滞性乳腺炎」の場合
 ・「化膿性乳腺炎」の場合
(2)乳腺炎の治療法は?  どのくらいで治る?  乳がんのしこりと違いは? 
(3)ほかのママはどう対処した?  どのくらいで治った?  乳腺炎乗りきりレポート

症状・治療法は?乳がんとの違いは?乳腺炎まるわかりガイド

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(1)乳腺炎とは? 原因は何? 兆候と症状は? 対処法もガッチリ解説

おっぱいトラブルが起きると、真っ先に「乳腺炎」が頭に浮かぶママも多いかもしれませんね。乳腺炎とは、どんな状態をさすのでしょう。乳腺炎を引き起こす原因、兆候や症状、対処のしかたなどを見ていきましょう。

■乳腺炎とは?

乳腺炎は、母乳が乳腺や乳管に詰まって炎症を起こす「うっ滞性(うったいせい)乳腺炎」と、細菌が乳頭から乳腺に入り込んで感染する「化膿性(かのうせい)乳腺炎」の2種類があります。産後すぐのママに多いのは「うっ滞性乳腺炎」で、母乳が出る量と赤ちゃんが吸う量に差がある場合などに起こります。「乳腺炎」の症状は個人差があります。心配な場合やつらいときは、なるべく早く産婦人科や母乳外来などに相談することをおすすめします。

■乳腺炎の原因は?兆候と症状、対処法をチェック!

乳腺炎の主な原因をはじめ、多くのママに見られる乳腺炎の兆候や症状、対処法を解説します。乳腺炎の“なりかけ症状”もぜひ参考にしてくださいね。

■「うっ滞性乳腺炎」の場合

【主な原因】
●乳管の開きが悪い
●赤ちゃんの吸う力が弱い
●授乳間隔があく、授乳回数が減るなど

【主な兆候・症状】
●おっぱいが張ることが続く
●おっぱいの一部にしこりがある(状態が続く)
●体を休ませても疲れと体調不良が改善されない
●体がだるい
●授乳中、おっぱいにチクチクとした痛みを感じる
●おっぱいを触ると強い痛みを感じる
●おっぱいが赤く腫れる
●おっぱいが熱っぽく感じる
●悪寒がする
●微熱がある
●38.5度以上の熱が出るなど

【主な対処法】
●頻繁におっぱいを吸わせる
●しこりのあるおっぱいから先に授乳する
●しこりを手で軽く押しながら授乳する
●赤ちゃんの舌がしこりのある側にくるように、授乳姿勢(横抱き・たて抱き・フットボール抱き・交差抱き)を調整する
(例1)おっぱいのわき側にしこりがある…フットボール抱き
(例2)おっぱいの内側にしこりがある…横抱きなど
●おっぱいが熱っぽい場合は、ぬらしたタオルなどで冷やす
●授乳のたびに水分補給を心がける

【やってはいけないこと】
●自己判断で授乳をやめる

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