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低い協会けんぽ加入者のがん検診受診率-子宮頸がんは健保組合の2分の1(医療介護CBニュース)
全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入する被保険者の各種がん検診受診率が、健康保険組合(健保組合)の被保険者よりも、10ポイント以上低いことが、13日に開かれた厚生労働省の「がん検診のあり方に関する検討会」で明らかになった。協会けんぽの子宮頸がん検診の受診率については、健保組合の2分の1だった。【松村秀士】
同検討会では、職域におけるがん検診や精密検査の受診率などが議題に上がっており、先月の前回会合で厚労省は、主に大企業の従業員らが加入する健保組合でのがん検診の実施状況などを報告した。それによると、2014年度の被保険者の検診受診率は、肺がんが71.9%で最も高く、大腸がんは60.8%、胃がんは56.6%、乳がんは34.7%、子宮頸がんは32.2%などだった。
13日の会合では、協会けんぽの守殿俊二保健部長が、14年度の協会けんぽにおけるがん検診の実施状況などを報告した。それによると、被保険者の受診率が最も高かったのは肺がん(47.1%)だが、その比率は健保組合より24.8ポイントも低かった。他の検診項目の受診率についても、大腸がん(43.1%)が17.7ポイント、胃がん(36.7%)が19.9ポイント、乳がん(19.9%)が14.8ポイント、子宮頸がん(16.0%)が16.2ポイント、それぞれ低いとの結果が示された。
厚労省の担当者は、「中小企業は、大企業よりも財政面や人的に余力がないケースが少なくないので、中小企業が多く加入する協会けんぽの検診率が総じて低くなっているのではないか」と指摘。その上で、中小規模の事業所における受診率を上げる方策の検討も今後の課題だとしている。