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広がる耐性菌、厚労省が対策強化へ 国際連携や監視拡大

世界的に抗菌薬(抗生物質)が効かない耐性菌が増えている問題で、厚生労働省が対策を強化する。日本で報告例がない耐性菌もすぐに探知できるよう国際連携し、患者の治療に生かす。院内感染を防ぐ国の枠組みへ病院の参加も促す。10日の感染症部会で専門家会議の設置を決め、監視体制や抗菌薬の適正使用を議論する。

 耐性菌は、抗菌薬の使い過ぎや、菌がまだ体に残っているのに薬の服用をやめるなど不適切な使用が原因。感染をくり返し、ほかの薬が使われると、複数の薬が効かない多剤耐性菌になり、治療が難しくなる。耐性菌による死者は2013年は世界で少なくとも70万人とされ、国境を越える人の往来が急増する中、50年には1千万人に上るとする推計もある。5月の伊勢志摩サミットの首脳宣言でも重要課題に位置づけられた。