介護・医療関連ニュース

プール熱の患者数、7週連続で増加-警報レベル上回る地域も(医療介護CBニュース)

咽頭結膜熱(プール熱)の患者報告数が7週連続で増えていることが、国立感染症研究所がまとめた9日から15日までの週の患者報告で分かった。警報基準値を上回る地域も出ており、患者が増加傾向の自治体では、手洗いの徹底に加え、感染者との密接な接触を避けるよう呼び掛けている。【新井哉】

 9日から15日までの週の全国の患者報告数(小児科定点医療機関約3000カ所)は、前週比32%増の定点当たり0.54人。33 都道府県で前週の報告数を上回った。

 都道府県別では、佐賀が2.26人で最も多かった。以下は、島根(1.43人)、鹿児島(1.27人)、福井(1.18人)、山形(1.0人)、鳥取(0.95人)、三重(0.93人)、新潟(0.91人)、宮崎(0.81人)、石川(0.79人)などの順だった。

 前週に比べて患者が倍増した佐賀県では、伊万里保健福祉事務所管内で警報基準値の3.0人を大幅に上回る10.67人を記録。島根県でも出雲圏域(4.4人)で警報基準値を超える流行が続いているという。

 首都圏でも感染が拡大している。神奈川県(0.42人)と埼玉県(0.61人)の患者報告数は前週に比べて倍増。東京都でも前週比1.5倍となっており、都は「報告数は増加傾向にあり、今後の動向に注意が必要」と指摘している。

 咽頭結膜熱は、アデノウイルスによる急性ウイルス性感染症で、のどの炎症や発熱、結膜炎の症状が出る。プールでの感染も多いことから「プール熱」とも呼ばれ、主に夏場に流行する。感染経路は主に接触感染や飛沫感染だが、タオルやドアの取っ手、エレベーターのボタンなど患者が触れたものを介してうつり、保育園、幼稚園、小学校などでの集団感染も少なくない。