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血中アミノ酸で腎臓病悪化のリスク予測か 阪大など発表
血液中にわずかに含まれるアミノ酸の量から、慢性腎臓病が悪化するリスクを予測できる可能性があると、大阪大などのチームが18日、英科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表した。人工透析をせずに済むよう、予測に基づいて積極的に治療するなど応用できそうだという。
アミノ酸は、立体構造が異なるL型とD型があり、大部分はL型。ごく微量のD型にも様々な役割があるとされ、近年は高い精度で型を分けて計測できるようになってきた。
研究チームは、慢性腎臓病の患者118人の血液と病状の変化を調べた。血中のアミノ酸の一つ「セリン」のD型の量が少ない集団は、4年後に人工透析が必要になるなどしたのは25%だったが、量が多い集団では75%だった。別のアミノ酸「アスパラギン」でも同じ傾向だった。
D型のアミノ酸と腎臓病との関わりはまだ分からない。阪大の猪阪善隆教授(腎臓内科)は「慢性腎臓病の予後を予測できる可能性に加え、治療薬の開発につながるかもしれない」と話している。(合田禄)