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リウマチの炎症抑える仕組み発見 名大などの研究チーム
関節リウマチの炎症が、糖鎖という物質の構造を変えることで抑えられることを、名古屋大学などの研究チームが発見した。治療薬の開発につながる成果で、5日付の英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(電子版)に掲載された。
リウマチは、外から入った細菌などを攻撃するはずの抗体の異常(自己抗体)で、自分の細胞を攻撃してしまう自己免疫疾患。手や足の関節が痛み、進行すると関節が変形してしまう。
研究チームは、リウマチ患者の血液中にシアル酸が少ないことに着目。自己抗体にくっついた糖鎖の末端にシアル酸を付けて、リウマチのマウスに投与したところ、炎症の程度が2分の1に緩和した。
糖鎖は数種類の糖がつながったもの。抗体の機能を調節する役割がある。研究チームの名大大学院医学系研究科の大海雄介特任助教は「シアル酸を付けた糖鎖が自己抗体の機能を抑えたと考えられ、炎症を根本から止める薬の開発につながる」と話す。今後、名大病院整形外科と共同研究で治療薬の開発を目指す。(月舘彩子)