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心臓病の子に「細胞シート」移植 阪大が治験を開始 - 朝日新聞デジタル

大阪大は5日、重い心臓病の子どもの心臓に、心臓の働きを回復させる「細胞シート」を移植する治験を始めたと発表した。対象は拡張型心筋症の子どもで、3年以内に3人に移植して安全性などを確かめ、公的な医療保険の適用につなげる。

 阪大の澤芳樹教授(心臓血管外科)らは、患者自身の足の筋肉にある細胞から作る細胞シートを開発。シートを心臓の表面に貼ることで、心臓の機能を回復させる。このシートを使った治療は今年から、虚血性心筋症の成人向けに公的医療保険の適用になっている。

 子どもの拡張型心筋症は、国内では年に約50人が発症するとされる。悪化すると心臓移植が必要になるが、子どもからの臓器提供は極めて少なく、国内で移植を受ける機会は限られている。

 澤さんは「より早く、重症の心不全になる手前で治療して患者を救いたい」と話している。(今直也)