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8K技術を医療へ、内視鏡開発など論点提示-総務省、遠隔医療活用も(医療介護CBニュース)
総務省は5日、高精細な8K技術の医療への応用を議論する検討会の初会合で、8K技術を活用した「内視鏡の開発」や「遠隔診療の実用化」といった議論すべき事項を提示した。今後、検討会で議論を進め、今夏をめどに高精細の映像データの利活用に向けた方策などについて取りまとめる方針だ。【新井哉】
医療分野の8K技術をめぐっては、総務省のICT(情報通信技術)を議論した検討会が昨年まとめた報告書で、内視鏡手術のカメラやモニターに8K技術が採用された場合、「開腹手術で術部を見ながら施術する状況に限りなく近い高精細・高い臨場感の下で内視鏡手術が実現可能になる」と指摘。遠隔医療の活用についても「へき地における病理診断の質の向上が図られる」としていた。
こうした指摘などを踏まえ、総務省は、この日の検討会で、8K技術を活用した内視鏡の開発に向けて必要となる技術的な課題や手術現場のニーズ、医療機関・患者へのメリットなどを議論することを提案。遠隔医療についても実用化する上で国に求められる役割などを検討することを促した。
また、8Kの映像データとAI(人工知能)などを組み合わせた場合、「ユースケースとして、どのような可能性が考えられるか」と提起。次回以降の会合で、医療に応用する取り組みや画像解析の現状と課題、画像解析を用いたサービスの事例などについてプレゼンテーションを行う方針を示した。
この日の検討会では、8K内視鏡カメラで行われた手術や、8K顕微鏡による眼科の手術などの映像を使ったプレゼンテーションが行われ、委員からは高精細な画像によって将来的には開腹手術と同等の成績が見込まれるかもしれないとする意見が出た一方、「夢を語りすぎている」と過度な期待を戒める意見も出た。