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「ミニデイ」運営者養成 小松市が初の研修、講座 介護予防、地域で担う

小松市は18日、高齢者の介護予防を地域で担う事業「ミニデイ」を充実させるため、運営者向けのスキルアップ研修会を初めて開く。年明けには、運営者育成を目的にした講座も初開催して取り組みを拡大させる。体力の衰えで引きこもりがちになる高齢者が、簡単な運動やおしゃべりを楽しめる居場所を増やし、健康寿命を延ばす。

 市の委託で事業を実施する同市社会福祉協議会によると、ミニデイを利用できるのは、介護保険制度で7段階ある要介護度のうち、軽い方から「要支援1、2」と認定された人が原則、対象となる。

 市内では現在、地区社協の代表者や民生委員、ボランティアらが18カ所でミニデイを運営している。利用者は月4回、公民館などに集まり、3~6時間、座ったままで行う健脚体操などの健康づくりのほか、趣味活動や茶話会などを楽しんでいる。毎回10~20人程度が参加するという。

 スキルアップ研修会では、運営者がミニデイを実施する2~3カ所を訪れ、情報交換や話し合いを通じて運営の参考にする。開設講座でも現場を見学し、ミニデイの必要性や運営方法、介護保険制度について学ぶ。講座開催に向け、市内全ての町内会長に協力を呼び掛けた。

 要支援1、2の高齢者向け訪問介護と通所介護(デイサービス)を保険給付から切り離し、市区町村へ事業を移行する制度改正を受け、市は2016年度から本格的にミニデイ事業を始めた。

 市内では、比較的元気な高齢者が体を動かすことを中心にした「いきいきサロン」が189カ所開設され、昨年度は5530人が利用した。市によると、市内の要支援1、2の高齢者は1日時点で1211人で、同市社会福祉協議会の担当者は「健康を維持し、介護に頼らない高齢者を増やしたい」と話した。

北國新聞社