介護・医療関連ニュース
-
離れて暮らす親が、認知症かもと感じたら…知っておくと役立つ「認知症初期集中支援チーム」とは
離れて暮らす親に電話をしたら、何かいつもとは違う。年齢を考えると、もしかしたら認知症かもしれないと不安に思うことがあるかもしれません。
仕事が忙しく、心配だけれども、なかなか帰省できない。そんなときに、知っておくと役立つのが「認知症初期集中支援チーム」です。「認知症初期集中支援チーム」とは
長寿化で認知症は誰でもかかる身近な病気(症状)となりました。団塊の世代が75歳になる2025年には、65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症になると見込まれています。
「認知症初期集中支援チーム」は、認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けられるために、認知症の人やその家族に対して早期に関わるチームです。
看護師や保健師、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士などの複数の専門職や認知症サポート医が、家族の訴え等により「認知症が疑われる人」や「認知症の人及びその家族」を訪問し、アセスメント(真の課題の見極め)、家族支援などの初期の支援を包括的、集中的(おおむね6ヶ月)に行い、自立生活のサポートを行います。
対象者は、40歳以上で、在宅で生活していて、かつ、認知症が疑われる人又は認知症の人で一定の基準に該当する人です。
全ての自治体に「認知症初期集中支援チーム」が配置されているわけではないのが難点です。まずは、親の住む市区町村の包括支援センターに電話をして、「認知症初期集中支援チーム」があるかどうか聞いてみましょう。ない場合にでも、対応策を一緒に考えてくれるはずです。親の引き取りは慎重に
認知症の親の一人暮らしは心配です。火事をだしてしまわないか、水道の蛇口を開けっ放しにしてはいないか、他人の物を壊したりしないか、交通事故を起こしたりしないか、詐欺にあっていないか、など心配の種は尽きません。
いっそのこと、離れて暮らす親を自分の家に引き取ることを考える方もいるかもしれません。しかし、一般に、認知症の方は環境の変化に対応するのが難しいと言われています。
地方から都会に来た場合、言葉のアクセントの違いや住環境の違い、食べ物の違い、など違いを挙げれば切がありませんが、認知症の方がこれらの環境に馴染むことができるでしょうか。
混乱して、認知症が悪化する恐れがあります。友人・知人のいない中で孤独になります。引きこもりの原因にもなります。
また、引き取る家族もそれまでの生活が送れなくなり、家族が崩壊するリスクもあります。義理の親の介護が原因で離婚するケースもあります。
したがって、引き取るときは、家族会議を開き、家族全員で十分話し合い結論を出すことが大切だと思います。1/2ページ