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「自己主張が強くなる」「人のせいにする」 専門医が挙げる認知症のサインを見逃すな!〈週刊朝日〉
認知症は身近な病気であるにもかかわらず、誤解が多い病気です。認知症になると、相手に配慮できず自己主張が強くなったり、些細なことで怒りっぽくなったりと、性格やからだの変化が起きます。週刊朝日ムック『60歳からはじめる 認知症予防の新習慣』では、認知症の専門医に取材しました。
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認知症は、正確にいうと病名ではありません。記憶力や判断力の低下など、脳の知的な働きが低下した症状を総称した言葉で、一度獲得した認知機能が脳の病気によって低下し、自立した生活が困難になっている状態を指します。認知症を引き起こす脳の病気には、アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症、脳卒中の後遺症による血管性認知症など、さまざまなものがあります。背景にある病気の種類によって、表れやすい症状も異なります。
認知症の原因として最も多いアルツハイマー病は、もの忘れから始まるのが特徴です。けれども年齢を重ねると誰でも、もの忘れが多くなります。認知症のもの忘れと、老化によるもの忘れはどう違うのでしょうか?
極端な例としてよく使われるできごとが食事です。食事の内容を忘れるのは単なるもの忘れで、食事をしたことを忘れるのが認知症です。
浴風会病院の須貝佑一医師はこう話します。
「老化によるもの忘れの場合、記憶は脳内に残っているので手がかりがあれば思い出すことができますが、認知症の場合は記憶そのものが残っていないので、手掛かりがあっても思い出せないのです」
認知症の症状は、もとの性格によるものなのか、老化によるものなのか、認知症によるものなのか、判断が難しいことがあります。下記で紹介する性格、日常生活、からだの変化がいくつかみられたら、早めに医療機関を受診しましょう。
早期診断、早期治療には大きなメリットがあります。川崎幸クリニックの杉山孝博医師はこう話します。
「異常な言動が認知症による症状であると理解できると、周囲の混乱が軽くなります。同時に医師など専門職との交流が始まり、家族はひとりで悩まずにすむのです」1/3ページ