介護・医療関連ニュース
-
介護ロボット市場、5年間で約14倍に-矢野経済研究所が予測(医療介護CBニュース)
新製品の投入や企業の相次ぐ新規参入などにより、2020年度の介護ロボットの国内市場は約150億円まで拡大するとの予測を、矢野経済研究所が発表した。15年度の市場規模(約10億7600万円)と比べると、約14倍に膨らむ見通しだ。【松村秀士】
同研究所は、今年3月から6月にかけて、介護作業を支援して身体的・精神的な負担の軽減や作業の効率化に役立つ介護ロボットを製造・販売する企業や研究・開発会社、関連団体、関係省庁などを対象に、製品の開発や出荷の状況などについて調査。その結果に基づいて、市場規模の今後の推移を予測した。なお、コミュニケーション支援を目的としたものや、医療機器に分類されるリハビリテーション用のロボットは調査の対象外とした。
調査結果によると、15年度の国内介護ロボット市場(メーカー出荷金額ベース)は、前年度と比べて約5.5倍となった。ロボットの目的別では、装着型の移乗介助や屋外型の移動支援、介護施設型の見守り支援、排泄支援が、市場をけん引した。
今後の市場規模については、16年度は約34億800万円(前年度比約3.2倍)に拡大すると見込んでいる。さらに、17年度は約55億1000万円(同約61.7%増)、18年度は約77億3000万円(同40.3%増)、19年度は約110億9000万円(同43.5%増)、20年度は約149億5000万円(同34.8%増)に達すると予測している。
同研究所では、20年度までの市場成長要因として、▽新製品の投入▽新規参入メーカーの増加▽排泄支援ロボット市場のさらなる拡大▽独り暮らし高齢者世帯での在宅介護型見守り支援ロボットの普及▽介護ロボットの導入による介護報酬上のインセンティブの付与―などが見込めることを挙げている。