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介護サービスの利用者2割負担など撤回を-認知症の人と家族の会、厚労省に要望(医療介護CBニュース)

認知症の人やその家族、専門職らでつくる「認知症の人と家族の会」は、2015年度に改正された介護保険制度に関する要望書を厚生労働省に提出した。所得が一定以上ある人に対する介護サービスの2割の自己負担割合を撤回することなどを求めている。【松村秀士】

 15年度の介護保険制度改正により、それまで一律1割としていた介護サービスの利用者負担割合が、一定以上の所得がある人に対して2割に引き上げられた。また、それまで要介護1、2の人も認められていた特別養護老人ホーム(特養)の新規入所が、原則として要介護3以上の人に限定された。

 要望書によると、同会では昨年12月から今年2月にかけて、全国の会員を対象に制度改正に伴う影響についてアンケート調査を実施。200人余りから回答を得た。

 会員からは、所得が一定以上ある人に対する自己負担割合の引き上げや食費・部屋代補助の要件の厳格化により、毎月の介護費用が従来よりも5-10万円増えたため、「やむなく施設を退所せざるを得なくなった」との声があった。また、特養に入所できない要介護1、2の人が、「途方に暮れている状況」も明らかになったという。

 こうした状況を踏まえ、同会は15年度に改正された介護保険制度の見直しを求めている。具体的には、一定以上の所得者に対する介護サービス利用時の2割の自己負担割合の撤回を要望。また、特養の入所対象者を要介護3以上に限定しないことや、入所者の食費・部屋代補助の要件厳格化の撤廃、要支援の人に対する訪問介護・通所介護について介護保険の給付対象とすることも要求している。