介護・医療関連ニュース

「生活不活発病」が熊本地震後に悪化 心身の機能低下 八代市の高齢者(西日本新聞)

同志社大体力医科学研究センター長の石井好二郎教授が21日、熊本県八代市で講演し、センターが昨年9月に同市の高齢者に行った筋肉量などの測定とアンケートの結果を報告した。それによると、心身の機能が低下する「生活不活発病」が熊本地震の発生前より悪化したり、新たに症状が出たりした人が回答者の約4割に上った。地震が引き金になった可能性が高いという。

 石井教授によると、測定に参加した高齢者78人(平均年齢75歳)にアンケートを実施。生活不活発病の症状が地震後に悪化した人が21人、新たに症状が出た人が10人いた。また、筋肉量の測定結果は、京都市の高齢者を対象にした測定結果に比べ、特に両脚で低い結果が出たという。

 生活不活発病は、東日本大震災で多発したことが知られる。石井教授は「熊本地震で比較的被害が少なかった八代市でこの結果なら、被害のより大きかった地域ではさらに深刻だと思う。対策は立つ、歩くという生活の基本を意識して体を動かすこと」と話した。