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「ゆっくりよくかむ」なぜいいの? 血糖値の急上昇を抑える
教えて!ヨミドック
クマさんはこのごろ忙しくて、短時間で食事を済ますことが増えました。そんな食生活でいいのか、ヨミドックに相談しました。
Q ああ忙しい。ゆっくり食事もしてられないよ。
ヨミドック 早食いはだめですよ。太りやすくなってしまいます。よくかんでくださいね。
Q かむと、どうしていいの?
ヨ よくかむと、脳内でヒスタミンという物質が分泌され、満腹感を得られるようになります。その結果、食べ過ぎを防ぐことができるのです。血糖値の急上昇も抑えられます。
Q 血糖値の急上昇?
ヨ 血糖値は、血液中に含まれるブドウ糖の濃度のことです。ご飯などを急いで食べると、血糖値が急激に上がります。下げるには、インスリンというホルモンが多く必要になります。分泌している 膵臓すいぞう に負担がかかるだけでなく、太りやすくなり、糖尿病を発症する危険が高くなります。食べる量も減らせる
Q ご飯やおかずを食べる順番を気にする人もいるね。
ヨ 米やパンなど、糖質の多いものから食べると、血糖値は一気に上がります。野菜やキノコなど食物繊維を多く含むものから食べると、糖の吸収が緩やかになります。野菜などを食べてから肉や魚を口にし、最後に米やパンなどを食べるようにすれば、血糖値の急上昇が抑えられます。ご飯を食べる頃には、おなかもだいぶ満たされてきて、食べる量を減らすことができます。
Q どのくらいかめばいいの?
ヨ 1口入れたら、30回以上かむのが理想です。ゆっくり食べればブドウ糖が少しずつ体の中に入ってくることになり、血糖値の急上昇は抑えられます。
Q 30回以上も? そんなにかめないよ。
ヨ 慣れないうちは、難しいかもしれません。歯が丈夫な人は、ゴボウやレンコンなど、歯ごたえのあるものを食べて、慣れるようにしていくとよいでしょう。
Q なるほど。
ヨ 食事の前にガムを10分間かむことを、9週間続けたら、体重が減った人が多かった――という研究もあります。少しでも多くかむことを意識してみては、いかがでしょうか。
(利根川昌紀/取材協力=宮崎滋・結核予防会総合健診推進センター所長、久保金弥・名古屋女子大学教授)