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【100歳時代プロジェクト】青学大研究 スマホで手軽に肥満予防 食事「かむ」回数を即時告知
さまざまな生活習慣病につながる肥満を防ぐため、食事の際、かむ回数を増やして満腹中枢を刺激し、食べ過ぎないようにする方法がある。だが、食事時にかむたびに回数を測っていては、手間がかかって食事を楽しめないかもしれない。実践している人は極めて少数派だ。そこで、かむ回数の計測を、スマートフォンなどで可能にすることを目指す研究が行われている。鍵は「リアルタイムで本人に知らせる」ことにあるという。(山本雅人)
汎用性が重要
研究を行っているのは、青山学院大理工学部のロペズ・ギヨーム准教授らのグループだ。骨の振動によって音をつかむ骨伝導のイヤホンマイクを耳に装着。食べ物が口に入り切断する音を認識すると、アプリを入れた本人のスマホへデータが無線送信され、即時に解析し回数が画面に表示される。カウントされるごとに数字が増える様子を食事中に見ることで、「もっと増やそう」といった改善の行動に結びつくという。
ロペズ准教授がこだわった点が2つある。「リアルタイムで本人が回数を把握できる」ことと、「身に着けても違和感を持たずに済むよう機器を小さくし、機器自体も、かむ回数の計測に特化したものではなく、誰もが使うようなものを利用する」ことだ。
食事が終わった後に、かむ回数が少ないと知らされても手遅れだ。次の食事の際には、意識から消えてしまっているケースが多い。機器の着用感覚と汎用性の面は、普及するかどうかに大きく影響する。
20%も増加
ロペズ准教授らは、20代の男女20人を半数ずつ2群に分け、片方の群にはこのシステムで回数を把握しながら、もう片方にはシステムを使わずふだん通りにそれぞれ2個のおにぎりを食べてもらい、日を変えて両群を入れ替えて実験を行った。その結果、システムを使わなかったときに比べ、かむ回数が平均で20%増加していたという。