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肥満と喫煙、まず改めるべきはどちらか(ウォール・ストリート・ジャーナル)
康な体を取り戻したいと願う太り気味の喫煙者は、まずタバコをやめるべきなのか、それとも先に体重を落とすべきなのか。そんなジレンマを抱える人たちにとって新たな指針となる研究結果が、学術誌「European Journal of Internal Medicine」に掲載された。肥満と喫煙のどちらが危険かをより明確にする内容だと研究者達は話している。
調査結果によると、最初に取り掛かるべきはダイエットではなく禁煙の方。喫煙者は非喫煙者と比べて心臓発作を起こすリスクが高い一方で、喫煙者と肥満気味の喫煙者の間での心臓発作のリスクにはそこまで差が見られなかった。
調査を行ったのはイスラエルの研究グループ。40歳から74歳までの74万人近くのデータを集め、肥満指数や喫煙歴を細かく調べたという。調査対象の約2割が喫煙者で、1割が元喫煙者、残りの7割近くが非喫煙者。そして74万人のうち、2231人が2011年に初めて心臓発作を経験していた。
これら調査対象を性別や年齢などの違いを調整したうえで比べてみると、平均的な体重の喫煙者や元喫煙者が心臓発作を経験する確率は、非喫煙者と比較して2倍以上だった。しかし、肥満であるかどうかを条件として加えて比べてみても、それぞれのグループでわずかに確率が上がる程度だったという。
研究者らは、喫煙者の肥満が心臓発作のリスクをごくわずかにしか上昇させないのは、喫煙行為そのものがどれだけ血液や血管に影響を与えリスクを高めているかを示していると話す。
非喫煙者に限定して調べてみると、やはり肥満気味の人の方がそうでない人と比較して心臓発作を起こしやすい傾向が明確に見られたという。
また調査によると、禁煙に成功した元喫煙者でも、心臓発作のリスクはタバコを止めたあとでも高めで推移していたという。ただし米疾病管理予防センター(CDC)によると、喫煙者は禁煙に成功して1年から2年程度で発作を経験する確率が下がるとのことだ。