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「はしか」感染拡大が止まらず 予防接種の“空白世代“は要注意!

超強力なウイルス!妊婦さんは要注意!!

高熱や発疹などが出る「はしか」=「麻しん」の患者報告数が、今年になってから200人を超えました。
この10年で最多のペースになっています。患者が確認された地域も22都道府県にわたります。
「麻しん」ウイルスは、感染力が極めて強く、免疫を持っていない人が接触するとほぼ100%感染します。

【画像】感染力はインフルエンザの10倍 はしかウィルスの正体

さらに、感染すると100%発症してしまうという、相当に強力なウイルスです。
しかも、「麻しん」に感染・発症しても、治療薬はありません。

特に注意すべきなのは、妊婦さんです。
「麻しん」予防はワクチンが最も有効な手段となるのですが、既に妊娠している場合はワクチン接種を受けることは出来ないからです。
日本産婦人科医会は先日、妊娠中に「麻しん」に罹患した場合、母体の重症化や流産、死産、早産の頻度が上昇する報告があるとして注意喚起しました。

麻しんウイルスは、空気感染・飛沫感染・接触感染で、ヒトからヒトへ感染します。
実は、麻しんウイルスのように空気感染する病原体はほとんどありません。
「麻しん」は、感染者と同じ部屋や電車内にいただけでも感染し、感染力はインフルエンザの数倍と言われるほど強力です。手洗いやマスク着用などのよく言われる対策ではまず効果はありません。

国際空港は高リスク!

感染すると約10日後に発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れます。熱が2~3日続いた後、39℃以上の高熱と発疹が出現します。さらに「麻しん」患者の30%に合併症がみられ、その40%が入院を必要とします。肺炎や中耳炎を合併しやすく、患者1,000人に1人の割合で脳炎が発症すると言われています。死亡する割合も、先進国であっても1,000人に1人と言われています。

実は日本は、WHOから2015年に『麻しんは【排除状態】にある』という認定を受けているのです。にもかかわらず、今回のように感染が広がるのは、免疫のない人が海外で感染してウイルスを持ち帰ってしまうからです。

アジア及びアフリカ諸国は、依然として多数の「麻しん」患者の報告があります。フランスやイタリアも患者数が多い国です。また、多くの海外渡航者が行き来する国際空港も最もリスクの高い場所のひとつです。

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