介護・医療関連ニュース
-
薬剤師国試、今年度中に新基準取りまとめへ-厚労省が改定部会に方向性提示(医療介護CBニュース)
厚生労働省は1日、医道審議会薬剤師分科会の薬剤師国家試験出題基準改定部会に対し、今年度中に新たな出題基準を取りまとめる方向性を示した。6年制課程に特化した「改訂モデル・コアカリキュラム」が適用された2015年度の入学生が、初めて受験する20年度から新基準の国家試験(国試)を実施する方針。【新井哉】
薬剤師の国試をめぐっては、今年2月に国試制度改善検討部会が基本方針を取りまとめていた。その中で、出題科目を改訂モデル・コアカリキュラムに合わせて見直すことに加え、出題基準の体系に関しては、現行通りの「大項目」「中項目」「小項目」とし、「小項目」は具体例を例示することとした。
この日の会合で、厚労省は小項目の例示について、「どの程度まで知識等を問う問題を作成すべきか、分かるような記載にしてはどうか」と提案。例えば、現行では「水素結合」とだけ説明されているものを、「水素結合について例を挙げて説明できる」などと詳述するよう促した。
また、臨床との関連を意識する必要がある「物理・化学・生物」と「衛生」については、小項目ごとの例示に加え、出題する際の留意事項を記載することも提案。その理由として、過去に小項目の「官能基の基本事項」で化学史を問うような出題があり、「薬剤師の知識として化学史が必要か」などと指摘があったことを挙げた。
厚労省の提案に対し、委員からは、小項目を詳細に記述した場合、問題の作成に影響が出る恐れがあるといった意見が出たが、改定に反対する委員はいなかった。今後、科目を担当する委員が小項目の内容などを検討し、早ければ次の会合で、各科目の小項目の記載案が出そろう見通し。