介護・医療関連ニュース
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在宅高齢者への配食、かかりつけ医に相談も-厚労省がガイドライン案(医療介護CBニュース)
厚生労働省は、配食事業の栄養管理に関するガイドライン案をまとめた。高齢者向けの宅配食事サービスを対象にしたもので、健康管理の支援方法や注文時の留意事項などを記載。栄養食事指導を受けてから長期間が経過した利用者が注文する際は、事前に「かかりつけ医」に相談するよう求めている。今後、配食事業を議論している検討会の了承を得た上で、3月中にもガイドラインを公表する予定。【新井哉】
在宅の高齢者を対象にした配食事業をめぐっては、カロリーや塩分、栄養バランスを考慮した「病院食」を届ける医療機関がある一方、民間の業者によってはカロリー計算を行わずに調理したり、利用者が腸管出血性大腸菌O157などによる食中毒になったりするケースも報告されている。また、医師の栄養食事指導を受けている高齢者に食事を提供できる業者が、地域によってはほとんどないといった課題もあった。
ガイドライン案は、こうした問題点や課題を改善する方向性を示した。例えば、医師の栄養食事指導を受けてから長時間が経過している利用者は、「かかりつけ医」に相談し、調整が必要であるか確認した上で注文することを推奨。業者に対しても、利用者が医師に相談したかを確認してから注文を受け付けるよう求めている。
このほか、献立作成の基本的な手順も記載。保健指導では対応できない、高血圧などの疾病を持つ高齢者については、「関連する各種疾患の治療ガイドライン等の栄養管理指針を参照の上、決定する」としている。
配食の衛生管理に関しては、食中毒菌の増殖を防ぐ方法などが記載された「大量調理施設衛生管理マニュアル」を参考にして衛生管理を徹底することに加え、利用者に消費期限内に食べ終えることも周知するよう求めている。

