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【気になるこの症状】脳卒中の後遺症、回復には発症後4カ月のリハビリが最重要
突然のように冬になったが、こうなると脳卒中が発症しやすい。脳卒中を発症した人は約60%の割合で、何らかの後遺症が出るといわれている。特に予後の日常生活動作に大きく影響を及ぼすのは、片マヒなどの感覚運動障害(別項)だ。回復には早期からのリハビリが大切になる。
【回復のスピード】
脳卒中の後遺症は大きく3つに分けられる。(1)身体機能に障害が起こる「感覚運動障害」(2)発声や言葉の理解・表現が障害される「言語障害」(3)記憶・思考・学習・注意・感情などが障害される「高次脳機能障害」だ。
JR東京総合病院・リハビリテーション科の田中清和部長が説明する。
「どんな障害がどの程度残るかは、脳の損傷を受けた場所や範囲によってさまざまです。中には半年、1年以上かけて徐々に回復する障害もありますが、感覚運動障害は発症から3~4カ月たつと回復のスピードが落ちてきます。ですから、その期間のリハビリが最も重要になります」
【補装具を使って訓練】
とりわけ社会復帰に大きなハードルとなるのは、手足のマヒや上手にしゃべられなくなる後遺症だ。リハビリでは、PT(理学療法士)やOT(作業療法士)、ST(言語聴覚士)などの専門スタッフが訓練をしてくれる。
「歩行の訓練では、平行棒で立ち上がりの練習をし、歩行器、つえ歩行と補装具を使いながら歩けるようにもっていきます。上肢訓練では腕の筋肉をストレッチしたり、大きさの違う道具を使って段階的につかみ離す練習をしたりします」