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マイコプラズマ肺炎、前回流行と同レベルに-過去10年同期で2番目の多さ(医療介護CBニュース)
乾いた咳や発熱などの症状が出る「マイコプラズマ肺炎」の全国の患者数が前回の流行とほぼ同じレベルになっていることが、国立感染症研究所がまとめた8日から14日までの週の患者報告で分かった。過去10年の同期比で2番目に多く、感染が拡大している自治体では、手洗いなどの予防策に加え、患者との濃厚な接触を避けるよう呼び掛けている。【新井哉】
■4月ごろから全国的に増加傾向
マイコプラズマ肺炎は、マイコプラズマを病原体とする呼吸器感染症。重症肺炎となるケースもあり、中耳炎や溶血性貧血、無菌性髄膜炎、脳炎、肝炎を併発することもある。飛沫感染や接触感染などで広がるとされており、最近では2011年から12年にかけて大きな流行があり、13年2月までにほぼ終息した。
今年は4月ごろから全国的に患者が増加傾向となっており、8日から14日までの週の全国の基幹定点医療機関(約500カ所)当たりの患者報告数は0.93人で、前回の流行期の12年の同じ時期(0.98人)とほぼ同じ報告数を記録した。
都道府県別では、福岡が2.8人で最も多く、以下は岐阜(2.6人)、香川(2.0人)、大阪(1.71人)、群馬(1.63人)、山口(1.56人)、愛知と宮崎、沖縄(各1.43人)、長崎(1.42人)、兵庫(1.36人)、埼玉と富山(共に1.2人)、大分(1.18人)、高知(1.13人)などの順。福岡などの上位6府県では、前回流行時の全国平均のピーク値(1.51人)を上回った。
■首都圏の一部で流行、警戒強める自治体も
マイコプラズマ肺炎の感染が拡大している自治体では、警戒を強めている。高知県は、患者が多い状態が続いていることを挙げ、発症から感染力が消失するまでの期間(10日前後)は、患者との濃厚な接触を避けるよう求めている。
首都圏でも一部の地域で流行しており、東京都の葛飾区(4.0人)や杉並(3.5人)、池袋(2.0人)、埼玉県の越谷市(5.0人)や幸手(3.0人)などの保健所管内で多かった。
患者報告数が前週比3倍に増えた熊本市は、マイコプラズマ肺炎が「流行中」とホームページに記載。晩秋から早春にかけて報告数が多くなる傾向や、患者の咳などのしぶきを吸い込むことによる飛沫感染、病原体が付着した手で口や鼻に触れることによる接触感染があることを挙げ、手洗いやうがいなどの徹底を促している。