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老化抑制物質、人に投与開始 慶大、安全性確認へ
慶応大は、高齢化によって増えるさまざまな病気の予防に役立てようと、老化に伴う症状を抑える効果がマウスでみられた物質を、人間に投与する臨床研究を始めたと発表した。健康な人を対象に、まず安全性を確認するのが狙い。伊藤裕教授(内分泌代謝学)は「安全性が確認できれば将来、具体的な効果を調べたい」と話している。
投与するのは「ニコチンアミド・モノヌクレオチド(NMN)」。人間や動物の体内にもともとあり、長寿遺伝子として知られる「サーチュイン」の働きを強める化合物の材料となる。マウスに投与した実験では、さまざまな臓器で化合物の量が増え、血糖値の上昇が抑えられるなど、老化により臓器の働きが衰えるのを抑える効果が期待できるという。
臨床研究は米ワシントン大と共同で実施。40~60歳の健康な男性10人に、NMNのカプセルを飲んでもらい血液を調べ、体内でどのように吸収されるかなどを調べる。