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パーキンソン病の治療候補、東大研究結果 皮膚がんに使われる薬有望

脳の神経細胞が減少し、手足の震えや歩行障害が起きるパーキンソン病の治療薬候補として、現在は皮膚がんに対して使われている薬が有望だとの研究結果を、東京大の戸田達史教授らが発表した。

 「適切な使い方を調べ、将来的に臨床試験を行いたい」としている。

 戸田教授らは患者の遺伝子解析を基に、発症への関与が疑われる複数のタンパク質を特定。既に販売されている薬の中から、このタンパク質に作用する57種類を選び出した。

 これらをパーキンソン病のように脳の神経細胞が減っていくマウスに与えると、皮膚がんの一種、悪性黒色腫の治療薬「ダブラフェニブ」に細胞の減少を抑える効果があることが分かった。

 パーキンソン病は65歳以上の1~2%が発症する難病で、症状を緩和する薬はあるが、進行を止めるものはない。既存薬は人間に使った際の安全性が分かっているため、別の病気にも効く可能性が示せれば、実用化までの時間や費用が節減できる利点がある。