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「混合介護」、GLを求める声が続出-規制改革推進会議の公開ディスカッション(医療介護CBニュース)

政府の規制改革推進会議は21日、介護保険内サービスと保険外サービスを組み合わせる「混合介護」などをテーマとした公開ディスカッションを開いた。参加した有識者らからは、「混合介護」を実施するためのガイドライン(GL)を国が策定すべきとの意見が続出。厚生労働省に対し、具体的な対応を求める声も上がった。一方、厚労省の担当者は、保険内と保険外のサービスを併用する際に懸念される課題について指摘したものの、GLの策定など、具体的な対応に乗り出すかどうかについては明言を避けた。【ただ正芳】

 ディスカッションでは、介護事業者らから現段階では規制されている保険内と保険外のサービスの同時一体的な提供や、人材確保が困難な時間帯に特別な料金を設定する仕組み、利用者らが希望するスタッフを指定できる制度などを認めるべきとする意見が上がった。これらの規制緩和によって、不足する人材の確保や処遇の改善、介護サービスの生産性向上などが期待できるという。

 一方、出席した厚労省関係者は、現行でも保険内サービスと保険外サービスが明確に区分されていれば、組み合せて提供することは可能と説明。また、保険内サービスと保険外サービスを同時一体的に提供するなどの規制緩和を実行する場合に懸念される点として、▽利用者の負担の不当な拡大▽トラブルが生じた場合の救済▽介護保険制度の理念である自立支援・重度化防止の阻害▽給付費の増加▽追加の行政コスト-を挙げた。

 厚労省の指摘に対し、規制改革推進会議の委員からは、規制緩和に伴う懸念点を払拭するためにも、混合介護の実施に向けた最低限必要なGLを国が定める必要があるとの意見が続出。同会議の大田弘子議長が、厚労省の担当者に具体的な対応を求める一幕もあったが、厚労省の担当者からはGL策定など、混合介護の規制緩和を見据えた具体策は示されなかった。

 山本幸三規制改革担当相は、「(混合介護に関する)適切なルールを作って、それで問題が起こってきたら、また、やり直していけばいい」と述べ、厚労省に対し、混合介護に関するGLの策定を強く求めた。