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認知症の予防には、まず食生活の見直しを。あなたの食べ方の「弱点」は!?

本人だけでなく、介護をする家族や周囲など、かかわる人全員にとって負担の大きい認知症。2025年になると、日本の認知症患者は700万人前後にまで増えると予想されるほど、罹患者は増える一方だ。そんな現状を直視し、自分で予防することが求められている。

「現在、認知症に特効薬はありません。けれど、40~50代の方々が食生活を見直すことで、認知症発症リスクを下げることは十分可能です」と話すのは、リコード法(アルツハイマー病の治療プログラム)認定医・ブレインケアクリニックの今野裕之さん。

「多くの病気には食生活が影響しています。健康診断では問題がなくても、栄養不足の問題が隠れていることも。それは認知症についても同じ。私はうつ病の治療に、不足している栄養素をサプリメントなどで補う栄養療法を取り入れていますが、この治療法は認知症予防にも役立ちます。次のチェックリストで、普段の食生活の傾向を確認しましょう」


□食事は主食のみで、おかずはほとんど食べない
□葉物野菜、柑橘類をあまり食べない
□お酒を飲む機会が多い
□薬を服用中。人工透析を受けている


□甘いお菓子や飲み物をよくとる
□白米、パン、麺類を毎食食べている
□野菜、海藻、きのこ類をあまり食べない
□甘い果物をよく食べる(特に夜)


□発酵食品をあまり食べない
□揚げ物、炒め物をよく食べる
□ストレスを感じることが多い 
□タバコを吸っている

4
□魚をあまり食べない
□肉、卵、豆類、乳製品をあまり食べない
□加工食品をよく食べる 
□低カロリー食である。食が細い

1が多かった人はビタミンB群不足タイプ。代謝がうまくいっていない傾向が。アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症にかかわる体内物質ホモシステインの増加を招く。

2が多かった人は糖質の摂取が多すぎるタイプ。甘いお菓子はもちろん、白米やパン、麺類などに偏った食事により、体内の糖化=コゲが進む。

3が多かった人は酸化・炎症タイプ。活性酸素の発生によって体内が酸化し、体を老化させる“サビ”や、病気の元となる炎症が生じる。

4が多かった人は栄養不足タイプ。脳の神経細胞や神経伝達物質の原料が足りず、脳がエネルギー不足の状態に。認知症のリスクも上がる。

認知症と老化 (糖化・酸化・炎症)は密接な関係がある。今日から食べ方や睡眠などの生活習慣を見直して、将来、認知症にならないための体づくりを始めよう。 


構成・原文/上田恵子