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首都圏、「親の老後が不安」は8割-介護や認知症などが要因(医療介護CBニュース)

首都圏に住む20歳代から40歳代までの8割余りは、介護や経済的負担、認知症などの理由から親の老後に不安を感じている―。そんな結果が、生活全般にわたる調査・研究に取り組むオウチーノ総研のアンケートで示された。【ただ正芳】

 政府は、2010年から40年までの間に、首都圏では85歳以上の高齢者の数が3.2倍の333万人となり、75歳以上の高齢者も34.3%増の406万人に増えると推計している。

 こうした状況を踏まえ、オウチーノ総研では、将来、特に高齢者の人口増加が著しいとされる東京都と神奈川県、埼玉県、千葉県に住む20歳から49歳までの男女741人(学生は除く)にアンケート調査を実施した。

■加齢につれて高まる親の老後への不安

 「親の介護について考えているか、不安はあるか」の問いに対しては、「考えていて、不安もある」という人が52.9%で最も多かった。次いで多かったのは、「考えてはいないが、漠然と不安はある」(28.1%)で、不安を感じている人は81.0%に達した。それ以外では、「考えていないし、不安もない」が11.2%、「考えていて、不安はない」が7.8%だった。

 回答を年代別で見ると、「考えていて、不安もある」と答えた人は20歳代が46.0%だったが、30歳代では52.6%、40歳代では60.5%と、年齢が高くなるにつれて、その割合は高まった。

■若い年代ほど「経済的負担」に不安覚える

 親の老後に不安を覚える人に、具体的な不安要素について複数回答で尋ねた質問では、最も多かったのは「介護」で61.3%だった。次いで「経済的負担」(46.3%)、「親の病気・怪我」「認知症」(いずれも28.7%)、「親の体力低下」(15.7%)、「家のバリアフリー対応」(7.0%)などと続いた。

 回答を年代別で見ると、「介護」を不安要素として挙げた人は、20歳代では56.5%、30歳代で61.4%、40歳代で65.7%と、年齢が高まるにつれて高くなった。同様に「認知症」を不安要素とする人は20歳代で24.7%、30歳代で29.0%、40歳代で31.9%と、やはり年齢が高まるにつれて高くなった。

 その一方で、「経済的負担」に不安を覚える人は、20歳代では51.1%と半数を超えていたものの、30歳代では48.1%、40歳代で40.2%と、年齢が高まるにつれて低くなった。

 オウチーノ総研では、同じ調査で3人に2人は親の老後への対策を何も講じていないことも分かったことから、「不安を覚える人が多い割には、対策を講じている人は少ない。特に、急激に高齢化が進む首都圏に住む人は、少しずつでも親の老後について考え、対策を始めるべき」としている。