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東大 軽度認知障がいにおける認知機能低下の加速因子を同定

認知症の前段階と考えられる軽度認知障がい

東京大学大学院医学系研究科は、2018年7月17日、軽度認知障がいにおける認知機能低下の加速因子を同定したと発表した。

軽度認知障がいは、認知機能が同年齢と比較して有意に低下しているが、日常生活では自立している状態を指す。日常生活で援助が必要な認知症とは一線を画すが、認知症の前段階と考えられている。
 

脳の小血管の障がいが、認知機能障がいの進行に関係

この研究は、2008年より日本で開始されたJ-ADNI研究の一環として行われた。同研究は、認知機能の低下が進行していく過程を経時的に追跡し、どのような人において認知機能の低下が進行しやすいかを検討すべく、実施されている。

同研究において、軽度認知障がいの被験者234名の認知機能を最長3年間追跡した結果、女性の軽度認知障がい被験者の認知機能は、男性より速く悪化することが明らかになった。この原因として東大は、慢性腎臓病のグレードが高いことを指摘。長年の高血圧や動脈硬化により脳の小血管の障がいを来すことが、認知機能障がいの進行に関係すると想定している。
 

生活習慣病改善が、認知症移行の抑制では重要

今回の研究結果から東大は、高血圧・糖尿病・脂質異常症といった生活習慣病の改善が、軽度認知障がいから認知症への移行の抑制においては重要になると指摘。その効果は、特に女性において顕著であるとしている。

(画像は東京大学大学院医学系研究科の公式ホームページより)


▼外部リンク

軽度認知障がいにおける認知機能低下の加速因子を同定 - 東京大学大学院医学系研究科
http://www.m.u-tokyo.ac.jp/news/press.html#20180717

軽度認知障がいにおける認知機能低下の加速因子を同定 - 東京大学医学部付属病院
http://www.h.u-tokyo.ac.jp/vcms_lf/release_20180712.pdf
 

キーワード: 総合