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肝炎対策指針改正、受診促進や指標設定を-厚労省が都道府県に通知(医療介護CBニュース)

厚生労働省は都道府県などに対し、改正した肝炎対策の基本指針を医療関係者や市区町村に周知するよう通知した。今回の改正では、国が地方自治体や医療関係者らと連携し、肝炎ウイルス検査の結果が陽性となった人のフォローアップや肝炎患者の早期受診を促すことを明記。「肝がんの罹患率をできるだけ減少させることを指標として設定する」としている。【新井哉】

 2011年に策定された指針では、「肝炎は適切な治療を行わないまま放置すると慢性化し、肝硬変や肝がんといった重篤な病態に進行する恐れがある」とし、予防や対策を推進するため、国や自治体、関係者の連携を促していた。5年ごとに指針を見直すことが義務付けられていたため、昨年から今年にかけて患者や医師らで構成する協議会で指針の見直しに向けた議論を行っていた。

 今回の指針改正では、肝がんの罹患率減少の指標設定や職域での肝炎ウイルス検査の促進に取り組む方向性を追記。国や地方自治体が肝炎対策を実施する際、具体的な指標などを設定し、達成状況を把握するとした。

 また、居住する地域にかかわらず、適切な医療を受けることができる肝疾患診療体制の確保を目指すことも明記。拠点病院が中心となって、専門医療機関の治療水準の向上や、かかりつけ医を含む地域の医療機関との連携強化を図る必要があるとした。

 通知では、改正の内容を踏まえ、地域の実情に基づいた肝炎総合対策の実施に取り組むよう要望。拠点病院などの医療関係者や患者らと協議し、計画や目標を設定することを促した。

 具体的な施策として、▽利便性の高い肝炎ウイルス検査の実施体制の整備▽職域での検査実施の働き掛け▽陽性者のフォローアップや医療費助成▽関係機関と連携した肝疾患診療 体制の整備―などを求めた。