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糖尿病予防 足の合併症、変形・変色に注意 気掛かりあったらまず診察
糖尿病は、合併症として足の病気が起こりやすい。早期に治療を始めれば進行を防げるが、悪化して脚の切断という事態になるとその後の経過も悪いことが明らかになっている。専門家は、患者自身や周囲の人が普段から足の状態をよく見て、気掛かりなことがあったら、内科でも遠慮なく靴下を脱ぎ、医師の診察を受けるよう勧めている。
「糖尿病の合併症としては神経障害や目の網膜症、腎臓病がよく知られているが、足の病気は見過ごされがちだ」と下北沢病院の富田益臣糖尿病センター長(糖尿病内科)は話す。
富田さんによると、糖尿病患者が足の病気になるのは、神経障害と血行障害、感染しやすさの3つが大きな要因だ。
神経障害によって感覚が鈍ったりしびれたりして、傷ができても気付きにくい。細い血管が傷んで、血流や代謝が悪化する。感染しやすく、傷が治りにくいのは免疫の働きが弱まっているためだ。「これらによって骨やアキレス腱(けん)の変形、筋肉の萎縮が起こる」という。
足の病気になると、糖尿病の改善に必要な運動療法もままならない。病気が進行すれば、患部から壊死(えし)が広がっていき、最悪の場合には脚の切断を迫られることになる。