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歯磨きは虫歯・歯周病防止の効果ナシ?歯科医が薦める口腔ケア
よかれと思って取り入れていた習慣が実は健康を蝕んでいたとしたら……。そんな考えたくもない「不都合な真実」が存在する。各分野の専門医に気になる真相を聞いた!
歯磨きもデンタルフロスも実は…
「毎食後、長い時間をかけて歯を磨いている方も多いですが、虫歯や歯周病に有効な対策でないだけでなく、逆にダメージを与えていることが珍しくありません」
そう注意を喚起するのは歯科医の長尾周格氏。
「歯磨きが虫歯や歯周病の予防に効果があるというエビデンスは実はありません。むしろ食事の際はとにかくよく噛むことで虫歯ができにくい口内環境になります。早食いの習慣がある人はまずは30回噛むことを意識するだけで、リスクが変わってきます」
効果が乏しいのは何も歯磨きだけでない。
「デンタルフロスを使うことを推奨している歯医者もいるようですが、こちらもデメリットが大きい。きちんとした技術を持った歯科衛生士が一日2回デンタルフロスを使ってケアすることで虫歯のリスクが下げられるとの論文もありますが、これはプロがやった場合。セルフケアでは虫歯の予防ができないばかりか歯茎を傷つけるリスクのほうが大きいので、ただちにやめるべき習慣です」歯医者への定期的な通院の効果は?
さらに歯磨き粉や洗口液の選び方にも注意が必要とのこと。
「殺菌作用がある歯磨き粉や洗口液は口内の必要な細菌まで殺してしまい、せっかく治りかけている歯茎の小さな傷を悪化させてしまうこともあります。気分的にはすっきりするかもしれませんが、健康を考えればとてもおすすめはできません」
自宅での対応の効果が乏しい一方で、定期的な通院の効果は?
「歯石を取ることは虫歯や歯周病の対策としては有効ではありませんが、口臭対策としては効果があります。歯や歯茎を長く健康的に保つには何よりも歯並びが重要。年を取ると矯正に前向きになる方は多くないですが、歯に関しては見栄えがいい状態が最も健康的な状態でもある。高齢になると多少、時間がかかるケースはありますが、それでも口内の健康のことを考えれば、いくつであっても歯並びの改善はするべきです」
口内のコンディションは人生の充実度を大きく左右するだけに正しい健康法に基づいた習慣を一刻も早く身に付けたい。
<口内衛生の真相>
× 毎食後の歯磨き
○ 30回以上噛む習慣
× デンタルフロス
× 消毒効果のある歯磨き粉
× 洗口液
△ 歯石取り
○ 矯正
【長尾周格】
歯学博士。予防歯科を専門とする「稲毛エルム歯科クリニック」院長。著書に『歯医者の99%は手抜きをする ダメな歯医者の見抜き方 いい歯医者の見分け方』など
― 医者がやらない健康法 ―
<取材・文/週刊SPA!編集部>bizSPA!フレッシュ 編集部