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40歳以上の約20人に1人が発症、気付かないうちに進行する「緑内障」
一度発症すると完治はできない「緑内障」。どんな病気なのか、治療法や原因は? 気になる点を教えてもらいました。
緑内障の進行イメージ(正常⇒初期⇒末期の見え方)◆どんな病気?
目で見た情報を脳に伝える視神経に障害が起こり、視野(見える範囲)が徐々に狭くなっていく「緑内障」。失明原因第1位の病気です。中高年から増え始め、40歳以上では約20人に1人の割合で緑内障になっているという調査結果も出ています。
しかし、視野が狭くなると言っても、両目に症状が出ない限り、悪い方の視野をもう一方の目でカバーしてしまうため、なんだか目が重いなど、ちょっとした違和感程度で、初期の段階では自覚症状はほとんどありません。異常に気付いて眼科を受診する頃には、末期の段階であるというケースにも度々遭遇します。
しかも、一度障害を受けた視神経は元に戻りません。早期発見をし、治療で進行を遅らせることが何より重要です。◆原因と治療法
緑内障の主な原因は、目の中の圧力・眼圧が正常範囲より高くなり、視神経が圧迫されるため。しかし、日本では、眼圧は正常範囲にもかかわらず、視神経に障害が起きる「正常眼圧緑内障」が最も多く見られます。
そのため、早期発見には、眼圧検査に加え、眼底検査、視野検査など複合的にチェックすることが大事です。最近では、視野検査で異常が出る前に視神経の異常を発見できる「OCT検査」も活用されています。
正常眼圧緑内障を含め、治療では眼圧を下げることで進行を遅らせます。症状に応じて、点眼薬、レーザー治療、手術を行います。しかし、自覚症状がないため、点眼薬の使用をやめてしまう人も。気付かないうちに進行してしまうため、根気よく治療を続けることが失明を防ぐ鍵です。
まずは、年に1度の定期的な受診を心掛けて、早期発見に努めましょう。
◆取材協力
有田眼科 院長、眼科専門医
九州大学特任助教、医学博士
有田量一さん